Movies (2025年11月9日号)
Otherhood
アザーフッド 私の人生
CAST & STAFF
母親が放つ決まり文句を英語で
あらすじ キャロル、ジリアン、ヘレンの3人は、かつて子育てを共にしたママ友。息子たちが独立してからも、気の置けない貴重な仲間として交流を続けてきました。ある年の母の日、息子たちが母親にまるで無関心なことに不満を募らせた彼女たちは、思い切ってニューヨークに住む息子たちのもとへ押しかけることを決意します。子育てを終えた女性が「母親」だけではなく「ひとりの人間」としてどう生きるかを模索する、自分探しがテーマの一本です。 場面説明 シーン1は、ママ友3人がキャロルの家に集まって女子トークを繰り広げる場面です。シーン2で3人は、息子たちが母の日を忘れたことを嘆き、慰め合います。シーン3は、キャロルが息子マットを突然訪ねる場面です。シーン4では、ジリアンが息子ダニエルの家に押しかけます。シーン5は、3人が息子たちの様子について報告しあう場面です。シーン6ではヘレンが、息子ポールが自分よりはるかに先に父親に秘密を告白していたことを知りショックを受けます。
「母親であること」を表す “motherhood” という語はおなじみかもしれませんが、“m” を取った “otherhood” を目にしたことはあるでしょうか? 本作のタイトルでもあるこの言葉、実は主人公の中年期の母親たちが自分たちの存在意義に危機感を抱くなかで出てくる造語で、「母親であることを超えた自身のアイデンティティ」を比喩的に表していると、私は受け止めました。母親としてだけでなく、自身の人生の新しい章を見つけるまでの道のりを、この言葉遊びで表現しているというわけです。 ただし、初めは、息子たちから相手にされなくなった自分たちを「まるで “otherhood”(他人)になってしまうようだ」と嘆くなかで使われます。そして、はるばるニューヨークまで息子たちに会いに行き、“You are the point of my life”(あなたは私の生きがい)などと重いセリフを吐いて、ますますうっとうしがられるのです。 私も10代の我が子によく言ってしまうセリフの数々を「英語ではこう言うのか」と、学びながら苦笑いする一本となりました。 (狩野綾子 翻訳家)
Guys, I think the guy at the liquor store was flirting with me.
ねえ、みんな。酒屋の店員が私に色目を使ってた気がする。
Oh, I can’t remember the last time someone flirted with me.
あら、私なんて最後に色目使われたの、いつだったか思い出せない。
I bet it happens all the time. You’re just not flirting back.
しょっちゅうされているのよ。ただ、何も反応しないだけでしょ。
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