Movies (2026年10月25日号)
True Memoirs of an International Assassin
なりすましアサシン

1. 拉致先のベネズエラで、サム(ケビン・ジェームズ、左)はゲリラの首領エル・トロ(アンディ・ガルシア)にナイフを突き付けられる
CAST & STAFF
物書きの言葉選びを体感
あらすじ 平凡なサラリーマンのサムは作家志望。苦労して書き上げた小説が、自身の意図とは異なるノンフィクション扱いで電子出版され、思わぬ評判を呼びます。そしてある日、突然何者かに連れ去られ、目を覚ますとそこはベネズエラ。小説の内容を真に受けた民主化運動ゲリラの首領から同国の大統領暗殺を命じられ、さらに別の勢力からも依頼が舞い込み、サムは窮地に追い込まれます。 場面説明 シーン1では、小説の執筆に行き詰まったサムが友人のエイモスに助言を求めます。シーン2では、完成した小説が採用されず落ち込むサムの元に出版依頼が。編集者のカイリーとカフェで面会します。シーン3は、小説がノンフィクション扱いされていることを知り、カイリーを問い詰める場面。シーン4で、カイリーはサムに宣伝のためのインタビュー出演を求めます。シーン5では、拉致されたサムがベネズエラのゲリラ首領エル・トロに大統領暗殺を強要されます。
原題は主人公のサムが仕事の合間に書いた小説のタイトル。そのヒットをきっかけに彼自身が殺し屋(assassin)だと誤解され、拉致された末に、とある暗殺計画に巻き込まれます。ベースはコメディーですが、小説内の戦闘シーンが彼の妄想として随所に差し込まれ、思いのほかど派手なアクションが楽しめます。 サムが作家志望ということで、言葉選びの悪戦苦闘にも注目です。小説の主人公が “Thank you.” と言われて返す決めゼリフ(signature line)を、彼はどうしても思い付きません。それが頭から離れず、エレベーターで乗り合わせた女性に礼を言われると、“No thanks needed. Just doing what any man would do. Let's just say you owe me one. ”(礼には及ばないよ。男なら当然のことさ。俺に借りを作ったってことにしよう)と口走って不審がられます。 その後、命を救ってくれた別の女性にサムが “Thank you for saving me.” と言うと、相手は “ I don't do this job for thanks.”(感謝のためにやってるわけじゃない)と返し、彼は “That's a good signature line. ” とひざを打ちます。“Thank you.” に対する返しは “You’re welcome.” や “My pleasure.” が一般的ですが、“I don’t do this for thanks.” は、ちょっと格好をつけたいときに使ってみたくなる言い回しですね。 (中俣真知子 翻訳家)
Well, last night I saved a beautiful woman in Tangier.
えっと、昨夜、タンジールで美女を救ったよ。
Well, you’d better be careful. You don’t want the best things to happen to your alter ego.
まあ、気を付けるんだな。お前の「分身」にばかり、いいことが起きて欲しくはないだろ。
Yeah, well, right now my alter ego’s on a helicopter about to die. Now, come on, I bought you lunch. Fill me in here. What’s up?
ああ、でも、その分身は今、ヘリの中で死にかけてるんだ。さあ、頼むよ、昼飯をおごっただろ。何か話のネタをくれ。どうだ?
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